察知力

■Title:
 察知力


■著者:
 中村俊輔

■概要:
 かなり有名だと思うサッカー選手の書いたエッセイです。作者が大切だと考えている「察知力」とはどういったものなのかを、中学校時代〜現在に至るまでの実体験を交えて解説してくれています。

■感想: 
 タイトルに惹かれて読みました。特に自分が読んだ内容で興味深かったのは、以下の点です。
  ①違う文化圏で受け入れて貰うには、自分から飛び込むしかない。
  ②新しい環境で認めて貰う為の努力を惜しむな。
  ③体験を記しておくことで無駄な時間を節約しよう。
 
 ①は、イタリアでの生活の内では、自分からその国を好きになり文化を学ぼうとする人じゃないと、彼ら(イタリア人)は心を開いてくれなかったよ、という内容でした。 「違う文化圏」を「違う会社」に置き換えて解釈してもいいかも。 せっかく新しい環境に移動しても、そこに馴染むための前向きな努力を怠ると環境を変えた意味がない(恩恵がない)よ、ということだと思います。

 ②は新しい環境でのルールがあって、その中で求められている結果を出せ、ということみたいです。イタリアではゴール前でパスは皆想定してない。シュートを打って欲しい。と思うようです。 ゴール前のフリーな味方へのパス、通ればいいけど味方もパスを予想しないので、パスミスに繋がりやすいと。まずはそこでの流儀を理解し実践するのがまずは大事だ、ということだと思います。個性を出すのは認められてから、じゃないと駄目なようで。

 ③は、体験を書いて客観的に整理することで、後悔する時間を減らそうとのこと。整理することで、次はどうするべきだったか。などの前向きな思考に気持ちが進むんじゃないのか、ということだと思います。悲しさ、悔しさは整理すると結構気持ちが落ち着くのかもしれないです。一人で悩むくらいなら日記つけろ、ということですね(ぉ

 全体的にまとめると新しいことに挑戦することの心得集的な内容だなーと感じました。新しいことに挑戦するというのは、現状で何かが足りないというわけで。そんな時必要なのが察知力(自分が環境に適応するため足りなかった点が何かを考えること)なのかなと。 トップアスリートの体験から来る思考はとても勉強になるなと思いました。(いろいろ見習いたい点が多いなぁ、という意味で)